2008 Fiscal Year Annual Research Report
売立目録所収美術作品のデータベース化とその近代日本における美術受容史研究への応用
Project/Area Number |
19520098
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高松 良幸 Shizuoka University, 情報学部, 教授 (40310669)
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Keywords | 美術史 / 芸術諸学 / 博物館学 / コンテンツ / アーカイブ / 美術受容史 |
Research Abstract |
研究2年目に当たる本年度は、売立荷主および、そのコレクションの重要度、当該の売立に対する当時の世評の高さ、高額落札作品の多さ、現在伝存する著名作品の存在などを基準として前年度選定した売立目録100冊のうち、年度末までに、約90冊分までの収録作品のデジタル画像データの作製、約70冊分までのテキストデータの入力作業を実施した。また、これと並行して、データベースを構成するテキストデータの項目の選定、表計算ソフトを用いたテキストデータ入力からデータベースソフトへのインポート、画像データの貼り付け等、データベース構築の設計、実験を行った。 一方、入札会の歴史や関係人物についての調査研究では、前年度に引き続き、大正後期から昭和初期を中心に、高橋箒庵『近世道具移動史』、『東都茶会記』、『万象録』などの文献に、入札会を報道する新聞、雑誌記事などを加え、各入札会の状況、各作品の落札価格、作品の売主・買主・札元の人物、関連作品の茶会や展示での使用に関するエピソード等の把握と整理に努め、それらのデータをデータベースに反映するための準備作業を行った。また、高橋の著書などで語られる人物やエピソード等は、益田鈍翁周辺の政財界人や数寄者を中心とするものであることから、それら以外の人物やエピソードに関して、特に当時の文人画愛好者の動向を中心に、近代日本経済史関係の文献等を活用して把握と整理を試みた。 また、同一作品が複数回にわたって入札に付された例を、調査過程の中でのいくつか発見することができた。それらの作品について、所有者の変転やその理由、入札を経ることが作品の価値、評価に与えた影響等についての調査研究も併せて実施した。
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