2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520118
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Research Institution | Osaka University of Arts |
Principal Investigator |
石井 元章 Osaka University of Arts, 芸術学部・教養課程, 教授 (90309162)
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Keywords | 美術史 / ルネサンス / 彫刻 / 青銅 / 北イタリア |
Research Abstract |
本研究はフィレンツェに端を発する15・16世紀の小青銅彫刻を特に北イタリア、ヴェネト地方に光を当てて、その社会・文化的機能を検証することを目指すものである。その研究成果の一つとして第11項に挙げた研究論文を2007年10月にロンバルド周辺の小青銅彫刻に関する国際学会を開催されたヴェネツィアでの学会報告(2008年末刊行)に掲載した。当該論文においてはマントヴァ文化圏で活躍した青銅作家アンティーコが同時代の彫刻家、特にフェルラーラ宮廷でエステ家の彫刻家を勤めたアントニオ・ロンバルドにいかなる影響を与えたのかを検証した。第二に、ヴェネツィアの教会や欧米の主要美術館に収蔵される青銅作品を写真・ビデオで撮影し、通常のDVDおよびハイ・ヴィジョンDVD、それぞれ23枚にまとめて公開ができるよう整理した。また最後に北イタリア青銅彫刻関連の文献をほぼ収集することができた。これによって我が国における同分野の研究の基礎がある程度整ったということができよう。参考までに第2点で挙げた撮影場所は、ヴェネツィア(コルレール美術館、黄金宮、セミナリオ・パトリアルカーレ、サン・マルコ広場、サン・マルコ聖堂を始めとする多くの聖堂、)、パドヴァ(イル・サント聖堂、大聖堂、サン・フランチェスコ聖堂)フィレンツェ(バルジェッロ美術館)、モデナ(大聖堂、ガレリア・エステンセ、トレヴィーゾ(大聖堂)ラヴェンナ(サン・フランチェスコ聖堂)、ナポリ(カポディモンテ美術館)、ウィーン(美術史美術館)、パリ(ルーヴル美術館)、ロンドン(ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、ウォレス・コレクション)、ワシントン(ナショナル・ギャラリー)、ニューヨーク(メトロポリタン美術館)である。この成果を基礎に、今度はパドヴァ近郊で活躍した青銅作家アンドレア・ブリオスコ通称イル・リッチョに関する研究を推進したいと考える。
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