2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520166
|
Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
渡邉 正彦 Tamagawa University, リベラルアーツ学部, 教授 (40259065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 巧 立教大学, 文学部, 教授 (60253176)
藤井 淑禎 立教大学, 文学部, 教授 (30132252)
瀧田 浩 二松学舎大学, 文学部, 准教授 (30299888)
|
Keywords | 比較文学 / 比較文化 / 国文学 |
Research Abstract |
高度経済成長が文化面にもたらす影響の国境を越えた普遍性について、メンバー全員によりデータ蓄積を進めた19年度の研究成果を踏まえ、20年度はそれらを中国の現状とすり合わすべく、北京の首都師範大学にて開催された国際シンポジウム「中日高速経済増長期的媒体与表現学術研討会」にて、メンバー全員が研究発表を行った。 2日間に渡り日本から本研究メンバー4名、そして中国から10名あまりの研究者が参加したこのシンポジウムにて交された討論をふまえ、次の三点を本研究の成果として確認したい。 (1)高度経済成長以前の状況では、一国の文化が一つの価値観に収斂されていく傾向が顕著であること。 (2)しかし高度経済成長によりもたらされた経済的余裕を背景として、個人の価値観が多様化し、それに即した表現が様々な形で現れてくること。(もちろんメディアの発達も、その傾向を促すのに大きな力を持っている。) (3)そのような状況の中で、統一感を喪失することを余儀なくされた人々が、必然的に孤独感を抱え込み、そのはけ口を求めるようになること。 これらの点がシンポジウムを通して現在の中国にもはっきり確認されたことに、今年度の研究の意義があったと考える。そして、これらの成果は、今後様々な方面から大衆文化研究を進めていく上での一つの視座となりえると考えている。
|
Research Products
(8 results)