2009 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀のドイツ語の歴史記述と物語り記述の比較分析研究
Project/Area Number |
19520186
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
SCHMITZ Brigitte Tohoku University, 大学院・文学研究科, 教授 (10431488)
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Keywords | J.ブルクハルト / ルネサンス / 近代的個人 / 19世紀 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
19世紀以来の歴史学および文学研究の関連に関する分析を背景として、現代文学研究のパースペクティブから歴史的な側面の研究に取り組んだ。とりわけ、歴史学および文学研究における物語論を基礎として「文学における物語記述」に焦点を当て、以下に挙げるテーマ領域について詳細に検討を行った。1.「トーマス・マンの物語テキストにおける歴史的な現象について」というテーマについての学術論文がほぼ完成しており、書籍の形で『原研二先生記念論集(仮題)』(森本浩一編、東北大学出版会、2010年。)への掲載が決定している。2.「20世紀前半におけるドイツの歴史的な側面および文学への反映」というテーマで一連の読書会を合わせて10回、同僚とともに開催した。使用テキストは以下のものである。Christina von Braun : Stille Post-Eine andere Familiengeschichte. Berlin : Propylaen, 2. Auflage 2007. 3.ヴィンフリート・ゲオルク・ゼーバルトの作品、とりわけAusterlitz(2001)およびDie Ausgewanderten(1992)について、「ホロコースト研究と文学」というテーマで取り上げ、2010年3月25日に開催された蓼科ドイツ文化ゼミナールにてグループ3Aの作業を主導した。なお、このテーマ領域の研究内容を準備し資料収集を行うため、2009年夏にデュッセルドルフ大学のトーマヌ・マン文庫および大学図書館、マールバッハのドイツ文学資料館、チューリッヒのバーゼル大学図書館およびトーマス・マン資料館を訪問し、トーマス・マン研究者をはじめとする多数の研究者と討議を行う機会を得た。
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