2008 Fiscal Year Annual Research Report
1970年代のバーミンガムにおける「文学の社会学」運動
Project/Area Number |
19520219
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 雄三 Osaka University, 大学院・言語文化研究科, 准教授 (10273715)
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Keywords | 英米文学 / 文化研究 / 1968年 / モダニズム / 共通の文化 |
Research Abstract |
平成20年度は、バーミンガム大学に設置されていた現代文化研究センターが1968年以降、どのように方向転換をしていったかにっいて調査を行った。具体的な調査成果は以下のとおりである。 1、「新マルクス主義」によるホールなどニューレフト第2世代への影響 ニューレフトやバーミンガム現代文化研究センターの活動は、イギリス国内の動きであると同時に、1968年のグローバルな文化変革運動と連動したものでもあった。そのため、ヨーロッパの新マルクス主義との関係も同時に視野に入れながら、研究を進める必要があった。特にルカーチ、ゴルドマンの文化概念を彼らがどのように翻訳し、紹介したのかについて雑誌や紀婁を調べ、その成果の一部を共著書『大阪大学新世紀レクチャー・言語文化学への招待』にて報告した。 2、文化的連帯をめぐるニューレフト新旧両派の論争 1968年という年には、大学紛争や市民運動などグローバルな規模での社会改革・文化変革運動が展開された。「スラント・シンポジアム」などでは連帯に関わる文化の役割が議論された。その際に、ジョージ・オーウェルによる代弁=表象の考え方の是非をめぐる議論が中心となり、そうした議論には1930年代のモダニズム運動の影響が濃厚に表れていることを明らかにした。その成果は言語文化研究共同プロジェクト2007にて発表した。
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Research Products
(5 results)