2007 Fiscal Year Annual Research Report
1910年から1960年までのドイツ語圏の社会文化的ディスクルスの研究
Project/Area Number |
19520243
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福本 義憲 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 教授 (90111351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 みどり 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (80246363)
中居 実 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (80106591)
古屋 裕一 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (10229130)
黒子 康弘 首都大学東京, 人文科学研究科, 助教 (50305398)
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Keywords | ディスクルス / 文化史 / メディア / 合理化 / スローターダイク / ハーバーマス / ワイマール期 / ウイーン民族音楽 |
Research Abstract |
本年度はまず、各分担者だ、それぞれの守備範囲内において(ハーバマスの分類による世界関係の内、「認知的・道具的合理性」の層を福本、黒子、「道徳的・実践的合理性」の層を福本、古屋、黒子、さらに「美的・実践的合理性」の層を園田、中居が担当)この時代の深層構造に下りてゆく手掛かりとなるディスクルスを取り上げ、一つ一つ丹念に分析してゆくことから開始した。資料が全ての基礎であるという観点から、ドイツ語圏から幅広い文献資料を得るために、本年度は研究代表者福本、分担者中居、園田を、ドイツ語圏に派遣した。福本はベルリン・フンボルト大学および自由大学において第二次世界大戦後の占領期における報道の調査を行い、ウイーン大学にて第一次大戦後の新聞報道等の資料調査を行い、中居はウイーン大学付属民族音楽研究所にて民衆音楽に関する資料を収集し、研究所員と意見交換を行い、園田はベルリン自由大学の文献学専門図書館で、ワイマール期のベルリン及びその文化に関する文献を調査し、さらにギュンター・グラスを始めとする戦後文学の成立を読み解くためあユダヤ人迫害史の見識を深めるべく、ユダヤ人戦没者記念資料館やユダヤ博物館を訪れた。古屋はフランクフルト学派読解を進める一方、戦後ドイツにおける生産と消費、法の剛性と柔軟性、法社会学、法措定暴力のディスクルス分析を行い、黒子は技術的エコノミー、自然科学の文化主義的理解、技術的装置と言語の関係などに関する論文『フマニスムスの罪と罰スローターダイクにおける書字性の悪の根源』を纏めた。定期的に分析経過について議論する場を設け、守備範囲に架橋し、互いに関連付けられるところに関しては、共同で分析に当たった。さらに福本は本研究課題遂行の指針とすべく、理論的前提を『テクスト・ディスクルス・ディスクルス分析』として論文に仕上げた。
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Research Products
(3 results)