2008 Fiscal Year Annual Research Report
1910年から1960年までのドイツ語圏の社会文化的ディスクルスの研究
Project/Area Number |
19520243
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福本 義憲 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 教授 (90111351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 みどり 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (80246363)
中居 実 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (80106591)
古屋 裕一 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (10229130)
黒子 康弘 首都大学東京, 人文科学研究科, 助教 (50305398)
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Keywords | ディスクルス / 文化史 / メディア / 合理化 / スローターダイク / テクスト分析 / ワイマール期 / ウイーン民衆音楽 |
Research Abstract |
20年度においては、19年度に開始された本研究の主要な部分について研究活動を行い、その成果をまとめて報告論文集第一部および第二部として発表した。研究活動においては、ドイツ語圏における第一次大戦期から第二次大戦後にいたる社会文化的なディスクルスの形成と再生産のプロセスを解明するために研究実施計画に示された枠組みにしたがって、福本、古屋、黒子は社会文化的ディスクルスの形成における「認知的・道具的合理性」および「道徳的・実践的合理性」なレベルについての理論的・個別的研究に従事し、中居、園田は「美的・実践的合理性」なレベルでの諸現象の研究に従事した。また、福本、古屋はオーストリア・ウィーン大学付属図書館、黒子はドイツ・ケルン大学付属図書館において分担する研究分野に関する文献資料の収集・調査を行った。本研究の研究実績については報告論文集にまとめられているように、福本は社会文化的な事象のディスクルス分析の理論的考察(「テクスト・ディスクルス・ディスクルス分析」)を行うとともに、第一次大戦前後の権力(Macht)をめぐるディスクルスの形成、および「ダダ宣言」における反市民的ディスクルスの形成と再生産の過程を解明した。中居はウィーンの民衆歌謡における社会的ディスクルスの形成とその再生産の事情を明らかにした。園田はヴィルヘルム期にベルリン・ケーペニクにおいて起こった「ケーペニク事件」をとりあげ、<制服>をめぐる社会的ディスクルスの形成と20年代における再生産のプロセスを解明した。黒子はゲーテに始まる「世界文学」ディスクルスのもつ社会文化的な射程を、マルクス、ブレヒトにおける再編成を通して究明した。古屋はマルクス・バウアーのベンヤミン論の翻訳によって、メディアと言語と技術性のディスクルスを包括するメディア論的考察を行った。
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Research Products
(11 results)