2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520244
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
澤田 敬人 University of Shizuoka, 国際関係学部, 准教授 (20254261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長瀬 久子 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (90405150)
榊 正子 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (80046218)
青山 知靖 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教 (50295549)
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Keywords | 英文学 / 教育学 / e-learning |
Research Abstract |
研究教育分野としての英文学について、教育の要素に焦点を置き、「英文学教育の学」と呼ぶべき領域の創生を目指し、本研究を進めてきた。19年度の研究成果からの更なる進展に向けて20年度に行ったことは次のとおりである。1、検定試験の作成・実施:20年度は、第1回(前期終了時)と第2回(後期終了時)の2度行った。19年度と同様、e-learningのシステムに附属する試験作成ソフトを利用した。試験を受けた学生は全員英米文学史の科目を履修し、試験の出題範囲は、科目の講義内容と同じである。学生は、コンピューター実習室で、CDに収められている検定試験を受験し、試験終了と同時に自分の得点と正解を知る。第2回では、CDを作成したが、紙媒体の試験とした。また、学生の「習熟」を計るために、試験の結果に関するデータの拠出を求めた。試験の問題作成に教育者の「熟練」が見られるものとの着想から、問題作成にあたった研究者同士のメールなどのやりとりを記録し、考察に利用した。2、企画審査会の開催:今年度は、第1回「英文学のプラクシスの深化」、第2回「英文学フロネシスの深化」の2度行った。申請当初は、審査会開催の目的を、検定試験の「標準化」に定めていた。しかし、探究を進めるうち、プラクシス/フロネシスの語に示されるように、熟達した英文学教育者による実践的知識の検討と共有に主要な目的が変化した。これにより企画審査会が、プラクシス/フロネシスを本義とする「英文学教育の学」に至るまでの道のりを縮めた。3、企画全体の考察:検定試験が定着するにつれ、学生に高得点をあげる者が増えた。これは学生の「習熟」が、「熟練」の教育者のいる教育機関のローカルな文脈に依存する可能性を示している。企画全体の実践を記録することで、アクションリサーチとしての記述スタイルが成立し、また、「熟練」が意味を成す場を明確に示すことができるものと思われる。
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Research Products
(3 results)