2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520279
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
関谷 一彦 Kwansei Gakuin University, 法学部, 教授 (40288999)
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Keywords | フランス文学 / リベルタン文学 / エロティックな版画 / リベルタン小説 / 哲学者テレーズ / 18世紀 / エロティシズム |
Research Abstract |
1.18世紀フランス文学研究の中で、これまであまり注目されてこなかったリベルタン文学を紹介するために、当時ベストセラーだったと歴史家ロバート・ダントンが指摘しているTherese philosopheの翻訳を手がけた。現在全体の約半分まで翻訳が進んでいる。出版社は未定であるが、できるだけ早く出版できるようにしたいと考えている。 2.このTherese philosopheにはいくつもの版があり、現在パリ国立図書館に可能なかぎり現存する版を送ってもらうように依頼中である。 3.2007年度の夏休みを利用して、リヨン市立図書館でリベルタン文学の資料を収集した。 4.また、夏休みを利用して、中国のチベットに行き、歓喜仏を調査した。これはエロティックな西洋の版画を研究する上で、日本の浮世絵だけでなく、チベットに存在してきた後期密教思想であるタントラから生まれた歓喜仏の思想的、芸術的意味を問い、比較することは重要であると考えたからである。思想的にはキリスト教の異端とも類似するタントラ教は、人間のもつ性的欲望に注目した点で、エロティシズムとは何かを考えさせる。チベットにはタントラ思想を具象化した歓喜仏が数多く残されており、とりわけチベット仏教の寺院や美術館はタントラ教の具体的な形象を表す仏像やタンカをもっており、今回のチベット出張ではこうした作品を実際に見ること、またタントラに関する資料を集めることを目的とした。
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Research Products
(1 results)