2009 Fiscal Year Annual Research Report
日中説話文学史構築のための『法苑珠林』『夷堅志』の比較説話学的研究
Project/Area Number |
19520314
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
三田 明弘 Japan Women's University, 人間社会学部, 准教授 (00277865)
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Keywords | 日中比較文学 / 説話文学 / 志怪 / 法苑珠林 / 夷堅志 / 今昔物語集 / 仏教説話 / 冥報記 |
Research Abstract |
本年度は、本課題研究の最終年度として、これまで蓄積してきた研究の総合・補完を目的として、「第一段階『法苑珠林』『夷堅志』に関連する資料・情報の収集」「第二段階『法苑珠林』『夷堅志』説話データベースの完成」「第三段階研究の総まとめ」の三段階に分けて研究を実施した。以下に、その詳細を記載する。 中国・台湾における『法苑珠林』『夷堅志』に関連する資料・情報の調査と収集『法苑珠林』『夷堅志』所収説話に関連する資料・情報の収集を初年度・第二年度に引き続き行った。今年度は海外における大規模調査に重点を置いた。具体的には北京の北京大学図書館・国家図書館,台北の台湾大学図書館・故宮博物院等において『法苑珠林』『夷堅志』の諸本・関連文献の調査を行った。西安・洛陽において唐宋代の寺廟及び文物の調査を行った。山西省五台山において、山岳仏教・寺廟の様式・唐代の遣唐使の行程及び日中仏教交流等に関する調査を行った。 『法苑珠林』『夷堅志』説話データベースの完成『法苑珠林』『夷堅志』所収説話データベースに、関連する歴史事項・『今昔物語集』『古今著聞集』などの日本の説話集に見られる類話や共通モチーフに関する情報を付加し、データベースの内容を拡充させ、それをもって当該データベースの完成とした。 研究の総まとめと今後の課題の整理 これまでに学術論文・学会報告等の形式によって発表してきた研究成果及びデータベース化した説話の分析を通して得られた情報を統合した研究論文を作成した。その作業を通して、日中比較説話文学史研究における本研究の意義を再点検するとともに、『法苑珠林』から『太平広記』へ、『夷堅志』から『容斎随筆』へと研究対象を発展的に移行することによって、日中比較説話文学史研究をさらに深化させ得るとの見通しを得た。
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Research Products
(4 results)