2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520369
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
近藤 眞理子 Waseda University, 国際教養学術院, 教授 (00329054)
|
Keywords | 韻律 / リズム / 第二言語習得 / 拍 / 継続時間 / 音圧 / 基本周波数 |
Research Abstract |
最終年度は、特に英話話者の日本語の韻律、特にアクセントとイントネーションについて、前年度に収集したデータをもとに検証を行った。日本語母語話者の日本語発話では、単語、複合語、フレーズ等、異なる音韻単位ごとにそれぞれのアクセント規則が適用され、単語のレベルではあらわれていた語彙アクセントは、フレーズレベルではフレーズアクセント規則が適応され、異なる位置に移動するか消えることが少なくなかった。フレーズ全体のイントネーションとしては、アクセントフレーズごとにアクセントが現れるのが一般的なイントネーションであるが、実際の発話で顕著だったのは、俗に言う平板化現象で語アクセントがなくなったために、フレーズ全体ではダウンステップが起こらず、自然下降のイントネーションしか現れない発話が少なくなかった。一方、英語話者の日本語発話では、アクセントの起きる音韻単位が日本語母語話者の日本語発話での単位よりも小さく、話者によっては各単語ごとにアクセントが現れ、極端な話者では、「私は」の[ 「は」、「風邪を」の「を」など、助詞一つ一つがアクセントフレーズを形成する例も少なからずみられた。この現象は英語話者の日本語発話に極端なダウンステップを引き起こす原因となっていると思われる。これは裏を返すと、最近日本語で浸透している単語レベルの平板化現象がフレーズレベルでダウンステップを引き起こさないのと逆の現象であり、英語話者の日本語発話が英語訛りと認識される原因の一つとなっていると思われる。異なる韻律単位の現象が、別の韻律単位の現象の原因となる一例といえよう。 これらの結果をもとに、今後英話と日本語の母語話者及び学習者の発話コーパス構築のための発話テキスト作成へのデータの応用に取り掛かっている。
|
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Studying L2 Suprasegmental Features in Asian Englishes : A Position Paper2009
Author(s)
Meng, H., Tseng, C., Kondo, M., Harrison, A., Viscelgia, T.
Organizer
2009 INTERSPEECH
Place of Presentation
Brighton, UK
Year and Date
2009-09-08
-
[Presentation] Phonetic Aspects of Content Design in AESOP(Asian English Speech cOrpus Project)2009
Author(s)
Viscelgia, T, Tseng, C, Kondo, M, Meng, H, Sagisaka, Y
Organizer
The 12th conference of Oriental COCOSDA
Place of Presentation
Tsinghua University, China
Year and Date
2009-08-10
-