2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520387
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
高崎 みどり Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (60096237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 泰子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (20251689)
立川 和美 流通経済大学, 社会学部, 准教授 (70418888)
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Keywords | 国語学 / 日本語学 / 談話分析 / 言語行動 / 著作権 |
Research Abstract |
今年度はデータの整備と先行研究の整理をほぼ終了し、各自の研究に向けての準備を行った。まず、データについては、課題解決型の話し合い活動を新たに8データ追加した。これによって、世代、参加人数、話題に関してバリエーションのあるデータを揃えることができた。また、各自の研究に向けての準備として、月例会でデータの検討を行った結果、いわゆる引用形式に導かれることがなくとも、言語行動としては広義の引用として認められる言語行為を数多く抽出することができた。さらに、古典文学作品にも分析の範囲を拡張することで通時的な視点を盛り込んだ研究を行うことを確認した。 現在、具体的な研究観点として次のようなものを考えている。 (1)引用内容の始発と終結に関してどのようなマーカーがあるのかを明らかにする。 (2)引用内容とそれに伴う引用形式の有無について、視点やモダリティ、ダイクシス、待遇表現などを手がかりにして考える。 (3)引用形式の機能語化についてその実態を明らがにする。具体的には、引用形式を中心とする複合辞の成立と会話中におけるそれらの使用実態を調査する。 (4)音調的な特徴や声色の使用など、具体的な引用マーカーを用いなくても当該部分が引用であることを示す方略について、音声や動画を確認しその実態を示す。 また、上記の日本語学的な研究と並行して日本語教育の立場がらの研究も行っている。最終的には、日本語非母語話者による広義引用表現の使用実態を明らかにした上で、日本語教育への還元を意図した広義引用表現の具体的な指導法を考えている。
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