2007 Fiscal Year Annual Research Report
英語における音声放出動詞の移動用法に対する語彙・構文論的分析
Project/Area Number |
19520427
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩田 彩志 Osaka City University, 大学院・文学研究科, 准教授 (50232682)
|
Keywords | 音声放出動詞 / 項構造 / 語彙・構文論的アプローチ / 使用依拠モデル / 結果構文 / 構文理論 |
Research Abstract |
音声放出動詞の移動用法に関して幾つか先行文献があるが(Levin & Rappaport Hovav1995,1996,Levin, et. al.1997,Goldberg1995,Goldberg & Jackendoff 2004,Talmy 2000等)、特に影響力があると思われるのはLevin & Rappaport Hovav 1995とGoldberg & Jackendoff 2004である。理論的伜組みは異なるが、いずれもほぼ同じ主張をしている。まず人間が喉から出す音声では移動用法が出来ない(*He yelled down the street.)。また移動様態動詞の場合(The ball rolled down the hill.)と異なり、動詞の表わす事象が移動事象の結果生じる。例えばTerry rustled into the room.では部屋に入った結果、rustleという音声が生じる。 2.British National Corpusを用いて更に多くの実例にあたってみると、確かに大筋ではこの2つの主張が当たっているように見える。しかし中には人間が喉から出す音声であっても移動用法が可能な例が見つかる(Ma Bombie Wheezed up the hill towards them./The cyclists groande up the rocky path.)。またThe plane thudded into the earthのような例では、The trolley rumbled through the tunnelのような例と違って音の放出は地面にぶつかる時点のみである。どうやら音声放出動詞の移動用法は一枚岩の現象でないらしい。これらの問題点はこれまで気付かれていなかった。
|