2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520501
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
吉村 富美子 Tohoku Gakuin University, 文学部, 准教授 (80310001)
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Keywords | 英文 / 書く力 / 読み方 / 転移 / チェックリスト |
Research Abstract |
本研究の目的は、効率的に書く力に転移する英文の読み方の指導法について、理論的、実証的検証を行なうことである。具体的には、読み書きの関係についての研究で理論的に効果があるとされている読み方を具体化し、大学の教室での指導で使えるチェックリストとしてまとめることが目的である。 平成20年度は、平成19年度に行なった文献研究とパイロット・スタディでの反省に基づいて作成したチェックリストの効果を検証するための擬似実験を行なった。擬似実験では、グループを2つに分け、チェックリストを使って英文を読むグループとチェックリストを使わないで読むグループに分けて、英文を読む前と後に学生に英文を書いてもらい、それをネイティブの先生がたに評価してもらって、読解前後の変化をグループ間で比べた。擬似実験の結果、重要な点が二つ見つかった。一つは、どちらのグループも英文を読むことでその後に書いた英文の質が著しく高まったという点である。これは、英文を書く活動だけを行なうよりも英文を読む活動と組み合わせるほうが効率がいいという先行研究の結果とも合致する。もう一つは、チェックリストを使ったほうが読み書きの統合がよりスムーズの行なわれ、またジャンルへの意識をより高めることができたという点である。 この擬似実験からはまた、学生はチェックリストの質問を読むときのガイドとしては使っていたが、書く時のガイドとするほど内在化していなかったこともわかったので、平成21年度には、このリストを改変した「編集用のチェックリスト」も作成し、ライティングの授業でこれら二つのチェックリストを使ってみて、これらのチェックリストを使っての読み方の指導が学生の英文の書き方の向上につながるのかどうかの検証を行なう予定である。 なお、本年度の研究の具体的な成果は、文献研究のまとめをJournal of Institute for Research in English Language and Literature,34に、実証研究のまとめをProcedia-Social and Behavioral Sciences,1(1)に発表した。
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Research Products
(4 results)