2008 Fiscal Year Annual Research Report
英語ライティングの自動採点の可能性の研究及びその教育への応用
Project/Area Number |
19520512
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 佳穂子 Tokai University, 外国語教育センター, 准教授 (30349427)
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Keywords | 英語ライティング教育 / 自動採点システム / 授業モデル / 効果的な授業デザイン / 学習者の自律性 / フィードバック / 学習者の志向性 / 評価基準 |
Research Abstract |
本研究の最終目的である「日本の英語ライティング教育における自動採点システムの実用性の検証と、その利点を生かした授業・評価モデルの構築」に向けて、今年度は主に最も効果的な授業モデルを求めての比較実験と、学生と教員による評価を行った。自動採点システムの導入によって教師のリソースが英語ライティングのより重要な側面(内容、構成、論理的展開など)に効率的に向けられ、かつ学生の自律性が高まることがある程度証明されたので、最適な授業デザインを求めて3種類のモデルについて統計的な伸びと共に、授業観察、学生と教師に対する評価アンケート、インタビューによる詳細な分析を行った。その過程で現在の日本の大学生のライティングに関する学習者特性(志向性)が明らかになり、それぞれのモデルが学習者の特性によって違う効果や伸びをもたらすこと、そして学習者が感じる困難や問題点も違うことが分かってきた。加えて、教師による評価では、そのような授業モデルを活用、運用する視点からの現実的な問題が明らかになった。計画の最終年度はこれらの結果を踏まえて、学習者特性に応じたより柔軟な自動採点システムの使用を含む授業デザインを考案し、更に実践の場での制約を考慮しながら教員研修モデルを構築して試行していく。 上記自動採点システムを組み込んだ効果的な授業モデルの研究と並行して、そのような授業の中で使用する評価指標と評価法の研究も進めてきた。主にヨーロッパ共通基準(CEFR)を参考にして、日本におけるライティング学習のニーズを反映させた詳細な質的基準(Can-Do Statements)を作成すると同時に、それを基にした採点表、評価システムの妥当性、信頼性を検証している。最終的には授業モデルと共に、学生の達成度を形成的、総括的両面で評価する評価システムも合わせて提唱する予定である。
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Research Products
(7 results)