2007 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語語用能力の習得における気づきの役割と個人差要因の影響
Project/Area Number |
19520518
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
高橋 里美 Rikkyo University, 経営学部, 教授 (10284564)
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Keywords | 英語 / 依頼表現 / 依頼負担度 / 場面選定 / 談話完成テスト / ディクテーション / ロールプレイ / 動機づけ |
Research Abstract |
本研究は,日本人英語学習者が「ニ節から成る英語依頼表現形式」を暗示的インプット状況で習得する際,当該言語形式の気づきの度合いと習得がどのように関係し,その認知プロセスに学習者の動機と英語習熟度(リスニングカ)がどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることを目指す。 同目的達成のため,まず,本実験(来年度予定)の事前・事後テストとインプット提示セッションで使用する依頼場面の選定を行った。日本人学生62人に対し,12の依頼場面に関する「依頼負担度知覚テスト」を実施し,この中から10場面を選定した。この内,事前・事後テスト用にそれぞれ4場面を選び,提示セッション用の場面としては,事前テスト用の4場面に残りの2場面を加えて,計6場面を用いることにした。 上記で選定した依頼場面の各々に対し,英語ネイティブ・スピーカー2名(本学英語専任)の判定に基づき,対象言語形式が確実に使われることを確認した。一方で,日本人学生30人に,上記12の場面の各々に対し適切な英語依頼表現を書き出させる作業をやらせ,日本人学生が対象言語形式を使えないという事実も再確認した。 このような確認作業の後,提示セッションで使用するビデオ・ディクテーション(以降,VD)の撮影・編集に取りかかった。なお,事前・事後テストで実施する談話完成テスト(以降,DCT)もデジタル化することにした。このDCT用のナレーションとVD用のロールプレイに参加してもらう英語ネイティブ・スピーカー(男女2名ずつ)としては,プロのナレーターを雇用し,本実験の被験者のリスニング作業に際し,質の高いデジタル材料の提供を目指した。録画したデジタルソースはビデオ編集ソフトで編集した。 また,148人の学生を対象に,動機づけアンケートの一部についてパイロットも実施した。 以上,本年度は,来年度の本実験に備え,徹底した準備を行った点をここに強調したい。
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