2008 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語語用能力の習得における気づきの役割と個人差要因の影響
Project/Area Number |
19520518
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
高橋 里美 Rikkyo University, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (10284564)
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Keywords | 英語 / 依頼表現 / 英語習熟度 / リスニング / 談話完成テスト / ディクテーション / 動機づけ / ビデオ |
Research Abstract |
本研究は、日本人英語学習者が「二節から成る英諸依頼表現形式」を暗示的インプット状況で習得する際、当該言語形式の気づきの度合いと習得がどのように関係し、その認知プロセスに学習者の動機と英語習熟度(リスニング力)がどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることを目指す。同目的達成のため、今年度は、本実験(後期に実施)の提示セッションで使用するビデオ・ディクテーション(以降、VD)用のDVDを作成し、本学PC-LL教室に導入されているソフトレコーダーのスクリーンレッスン機能で使用できる形態にした。さらに、事前・事後テストで使用する談話完成テスト(以降、DCT)のデジタル版を、PC-LL教室内の学生用PCに配信できる形態にした。本実験は、後期の英語3クラスにおいて、PC-LL教室で行った(被験者数、合計114名)。被験者のリスニング能力を測定するために、ETSが開発したSLEPを初回授業で実施した。授業第2週目に事前DCTを実施し、その後3回(3週)に渡って、VDによるタスクに取り組ませた。最終VDタスク実施の翌週に事後DCTを実施し、さらにその翌週にVDタスクのパフォーマンスと事後テストにおけるパフォーマンスの関係を探るためのアンケートを実施した。このアンケートは、当初予定していた被験者との個別インタビューが授業運営上の理由で遂行できなかったため、その代替として取り入れたものである。動機づけアンケートは授業最終週に実施した。なお、データの分析については、事前・事後DCTおよびVDタスクのすべてに参加した被験者が100名以下であったため、データ不足と判断し、来年度前期に再度データを収集することにした。また、被験者との個別インタビューも、来年度前期に実施することにした。 また、今年度は、本実験実施に加え、先行研究のレビューを論文にまとめ、それを学術図書の章のひとつとして発表した。
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