2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520530
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
植松 茂男 Setsunan University, 外国語学部, 教授 (40288965)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里井 久輝 摂南大学, 外国語学部, 講師 (70388643)
|
Keywords | 英語教育 / 早期英語教育 / 小学校英語教育活動 / 台湾の英語教育 / 英語特区 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小学校英語教育活動の取り組みが長期的にどのような影響を児童・生徒に与えるかを、英語能力テストを通じて調査するとともに、英語学習に取り組む姿勢の変化をアンケート等を通じて調べ、小学校英語教育活動の効果を客観的に分析することである。平成19年度の研究実施状況に関しては以下の通りである。 1)3学期に、「英語特区」の寝屋川市立第六中学校で1年生約220名、2年生約200名、3年生約250名の計670名を対象に、リスニング、リーディング、語彙・文法に関するテスト(JACEテスト)を実施。同時に情意面を調べるアンケートを実施した。同中学校で今後4年間に渡り、小英開始学年が早まる中学生を対象に同じテストを行い、その効果の「定点観測」を実施する予定。また本年度は「小学校英語教育活動をほとんど受けていない」中学2年生の120名に対しても同時期にJACEテスト受験の協力が得られた。これは比較検討材料とする。スピーキングに関しては、個々に録画・録音するため時間が調整できず、インタビュー実施は、寝屋川市立第六中学校2年生1クラス(35名)にとどまった。 2)本年度は研究初年度に当たるため、アンケート等の開発や実施校の選定、先生方との関係作りに力を入れた。特区発表会の研究授業を長期間指導し、授業参観や意見交換を通じて、現場の意識を高めることに精力を費やした。その結果、科研費研究の意義が理解され、手厚い協力体制ができたことから、2年度目以降の研究成果が楽しみである。また、本年度は台湾の早期英語教育の視察を行い、その結果は口頭発表、論文としてまとめた。早期英語の加熱が「社会格差」の拡がりや、早期の「英語嫌い」に繋がり、担任と英語教員との分断化を引き起こすなど、日本での「教科化」に向けての問題点が多く示唆されたと言える。各種テスト、アンケートの結果分析から次年度の計画へとつなげたい。
|