2009 Fiscal Year Annual Research Report
クラス内学力格差に対応するMoodleを利用した授業支援システムの開発
Project/Area Number |
19520533
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Research Institution | Kobe Kaisei College |
Principal Investigator |
山内 真理 Kobe Kaisei College, 現代人間学部, 講師 (40411863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐谷 滋 神戸海星女子学院大学, 現代人間学部, 教授 (90010032)
小野 礼子 神戸海星女子学院大学, 現代人間学部, 教授 (80411859)
石原 敬子 神戸海星女子学院大学, 現代人間学部, 准教授 (30411854)
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Keywords | 英語 / 教育学 / LMS / Moodl / Blended Learning / ICT活用 / 学習者の自律 / 教材開発 |
Research Abstract |
本研究の主たる目標は、オープンソースの学習管理システム(LMS)であるMoodleを利用することにより、クラス内の学力格差に対応することであった。Moodleを利用したブレンド型授業の長所として以下5点をあげることができる。(1)習熟度に応じた選択課題を提供できる、(2)画像やスライドショーなど様々な形での資料が利用できる、(3)ウェブ・ツールとの併用が容易であり、創造的・協調的な学習活動の促進に役立つ、(4)学習の経過・成果の保存・共有により、動機づけや自己モニタリングの助けとなる、(5)対面時やウェブ上で利用状況を確認しながら教材やその提示方法を改良していくことができる、(6)教材・資料・作品等の管理と再利用が容易である。 教材等が蓄積された本年度は、必要な学習課題を選択して学習を進めていける自律性の養成を目指して、学習方略利用の指導も含めた授業設計を行い、300点以上の格差のあるTOEIC対策クラスで一定の成果をあげることができた。英語関連の授業全般では、携帯電話やブログ等を併用した発信課題を取り入れ、それらが学習の定着や動機づけを促進しうることが確認できた。新たな試みとしてチーム・ティーチングにMoodleを利用し、教員間の連携面での有効性が認められた。また、リズム指導を効果的に行うためのオリジナル教材の開発に着手し、学習プログラムの設計とMoodle上への組み込みを行った。 Moodleは、教員・授業単位でも柔軟に活用できるオールインワンのツールであるが、教材作成にかかる初期労力が大きい。教材作成管理の効率化の一つの手段として、教員間での教材の共有も視野に入れたソフト開発に着手し、プロトタイプを公開した。また、Moodleは学習管理には優れているが、学習者主導のより自由な活動には別のツールの方が適していることもあり、目的に合わせて組み合わせることにより教育効果が高まると期待できる(この意味で、外部アプリケーションへの拡張性が向上しているMoodle2.0は、利用価値が高まっていると考えられる)。
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