2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520551
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
遠藤 芳信 Hokkaido University of Education, 教育学部, 教授 (70125368)
|
Keywords | 兵站体制 / 戦時編制 / 1882年徴発令 / 1888年師団戦時整備表 / 1888年師団戦時物件定数表 / 出師準備管理体制 / 日清戦争 / 近代日本軍制史 |
Research Abstract |
平成20年度の研究実施計画は、「日清戦争期から日露戦争期にかけて起草・起案・制定された1903年戦時補充令等における人員・馬匹・武器・器具・材料・装具等の補充にかかわる諸手続きの側面から補給・兵站体制構築の特質を解明する」ことにあり、その研究実績の概要は下記の通りである。 1. 戦時補充令の系譜・前身に連なる関係文書を詳細に分析し、特に鎮台編制から師団編制に編成替えされる時期にかけての1886年度鎮台出師準備書等の仮制定の意義を考察し、出師準備管理体制の第一次的成立の基本的枠組みを解明した。 2. 1887年から1888年にかけて起草・起案・制定された平時・戦時の両歩兵連隊編制表、師団戦時整備表、師団戦時整備仮規則、師団戦時物件定数表等を分析し、戦時編制の概念自体の転換と戦時編制表の統一的表示化着手の意義を考察し、糧食・衛生材料等の供給と補充の体制を解明した。また、1882年徴発令の成立過程について、フランス徴発制度と比較しつつ、馬匹等の徴発体制の特質を解明した。徴発体制の解明は戦時補充の基本的枠組みの構築考察の手続きとして欠かせないものであり、近代日本軍制史研究においては、本研究が本格的研究の嚆矢になる。 3. 防衛研究所図書館所蔵の日清戦争前後の兵站勤務関係未公刊文書及び国立国会図書館憲政資料室所蔵「樺山資紀関係文書」を調査し、特に、令達文書としての戦時編制が1891年段階から起草されていることの確認・考察に着手した。
|
Research Products
(3 results)