2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520557
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 拓 The University of Tokyo, 史料編纂所, 助教 (10302655)
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Keywords | 日本中世史 / 織豊期 / 織田信長 / 史料学 / 信長記 |
Research Abstract |
本研究は、織田信長の家臣太田牛一が著述した『信長記』の諸本の史料学的研究を目的とし、最終年度にあたる21年度は、19・20年度にひきつづき、未調査だった国内所蔵機関に伝来している『信長記』自筆本・写本、および太田牛一著作の自筆本・写本を調査し、焼付写真を購入した。とくに本年度は、これまでの調査成果の上に立って、自筆本である岡山大学附属図書館所蔵本(国指定重要文化財)の実見調査をおこない、自筆本の制作過程や写本との関係についての疑問点を確認し、従来の研究に新たな知見を加えることができた。そのほか調査をおこなったのは、名古屋市蓬左文庫・賀茂別雷神社・前田育徳会尊経閣文庫・徳川林政史研究所・名古屋市博物館・九州大学附属図書館付設記録資料館である。 本年度は最終年度であるため、研究代表者および連携研究者(堀新・黒嶋敏)がそれぞれ調査の成果を反映させ、著書・論文を公表した。研究代表者は『信長記』諸本の所在、成立過程、写本の分類、著者太田牛一の事跡などを単著としてまとめた。現時点での『信長記』研究の総括であるが、今後の研究の基本的文献として活用されることも意図している。 本研究による成果として、『信長記』写本尊経閣文庫本独自の記事について『岐阜新聞』2009年12月28日付朝刊に、太田牛一著作『太田牛一記』の岐阜城攻め記事について同2010年1月7日付朝刊にてそれぞれ紹介された。本研究の調査成果については、研究代表者・連携研究者にかぎらず、研究協力者各自の研究としても進められており、近い将来これらメンバーによる論文集として成果を刊行する予定である。
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Research Products
(4 results)