2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19520559
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 和夫 The University of Tokyo, 史料編纂所, 准教授 (00239881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝美 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60143533)
及川 亘 東京大学, 史料編纂所, 助教 (70282530)
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Keywords | 日本史 / 近世史 / 政治社会史 / 史料学 / 将軍 / 大名 / 洛中洛外 |
Research Abstract |
二年次目は、収集史料め分析・研究とデータ整理とに力点を置いた。1、基礎的事実の復元・解明(1)史料学的研究、儀礼、伝達回路の解明(研究代表者山口):幕府史料・公家日記を素材に、関白九条幸家辞職に至る元和9年(1623)まで三年越しの過程と意思伝達回路を分析し、人事権を後水尾天皇ではなく将軍(大御所)秀忠が掌握し、天皇も受容していたことを解明した(共著書中に寄稿)。同天皇と幕府・将軍家との一貫した確執関係という図式に、再検討を促す時例である。膨大に伝存し検討が待たれる近世画像史料を対象に、洛中洛外の景観・景物等について雑誌論文を発表し、幕府儀礼・武家年中行事を画題とする史料を収集・解析・解説するなかで、新将軍家光の拝賀参内供奉行列図にも論及した。(2)大名家史料分析(研究分担者宮崎):将軍家・大名家が集住した近世都市江戸について著書を出版し、毛利家関係史料群の分析と無年号文書の年次比定を進めた。後者は、近世初期の政治史・事件史・人物史等の基礎的事実確定に必須の作業である。(3)地域社会史料分析(分担者及川):将軍家上洛を迎えた京都の都市史料群の調査・研究を進め、雑誌(既刊)に史料紹介、共著書(近刊)に内容分析の論文を寄稿し、奈良・春日大社に出張して記録原本を調査・解読し大和の寺家・社家の動向を把握した。新規史料に基づく都市史・社会経済史研究の成果である。2、データ整理・整備等人材を得、(1)元和末年の土佐山内家御手許文書のテキストデータを蓄積し、(2)系譜史料からの課題関連記事抽出を進め、(3)元和・寛永年間の史料情報の入力・校正作業を実施した。江戸時代前期史料・史料情報データベース整備に向けた作業を試行し、一定量のデータを蓄積することができた。3、新規史料の調査・蒐集国立国会図書館や春日大社で新規史料の調査・蒐集を実施した。
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Research Products
(7 results)