2007 Fiscal Year Annual Research Report
中世ドイツの統治システム〜中世西欧の統治システムの比較研究〜
Project/Area Number |
19520621
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 博 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90226936)
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Keywords | 西洋史 / 中世 / ドイツ / 統治システム / 王権 / 比較 / 領邦 / フランク |
Research Abstract |
平成19年度は、(1)フランク支配以前(古ゲルマン時代)、(2)フランク時代、(3)東フランク王国と領邦の時代、を重点的に調査した。 (1)フランク支配以前(古ゲルマン時代)については、最新のものを含むこれまでの研究を参照しながら、ローマ人によって記された史料(『ガリア戦記』や『ゲルマーニア』など)やゲルマンの法典(『サリカ法典』など)を再検討し、ゲルマニア(おおむね現在のドイツにあたる地域)にどのような人的集団が存在し、どのような統治システムを有していたかを調査した。 (2)フランク時代については、研究文献と史料を検討しながら、ライン川東岸(現在のドイツ)の地域のアレマン人、バイエルン人、ザクセン人、テユーリンゲン人、オスト・フランケン人と呼ばれる人々が、どのような人的集団を構成し、それらの人的集団がどのような統治システムを有していたかを調査した。 (3)東フランク王国の時代については、やはり、研究文献を参照しながら史料を検討し、王権と諸侯との関係、王の統治システムを重点的に調査した。王権が衰退し、領邦君主(公、伯など)が力をもつようになって以後は、この領邦君主の性格、領邦君主と王権との関係、領邦君主と城主との関係がどのように変化していったを検討した。 文献・史料の蒐集は、中世イタリアやフランス、イギリス、十字軍国家関係も含めて広範囲に行った。購入可能な文献は購入し、購入できないものは複写を行った。
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