2009 Fiscal Year Annual Research Report
中世ドイツの統治システム~中世西欧の統治システムの比較研究~
Project/Area Number |
19520621
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 博 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90226936)
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Keywords | 西洋史 / 中世 / ドイツ / 統治システム / 王権 / 比較 / 領邦 / フランク |
Research Abstract |
平成21年度前半は中世後期を重点的に調査し、後半はやり残した調査と報告書作成を含む研究のまとめを行った。 前半の中世後期(13世紀後半から15世紀まで)の調査に関しては、王の統治システムだけでなく、ドイツ内の主要な領邦君主の統治システムを検討した。より、具体的には、以下の3つの問題に焦点を当てて、研究を進めた。 1)大空位時代(1257~73)後のルドルフ・フォン・ハプスブルクによる帝国領回収政策の実態と新たな統治システムの構築の検討。ルドルフは、フリードリヒ2世の廃位以降の譲渡を無効とし、返還を要求したが、武力を行使した例は少なく、ほとんどは特権の確認と授与を行ったにすぎない。 2)カール4世の「金印勅書」(1356)が国王統治システムと領邦君主の統治システムに対して与えた影響の検討。金印勅書は既存の法令や文書を集めたものにすぎなかったが、選帝侯による国王選挙の制度を定めることにより、国王と諸侯とのあいだの対立関係を固定化する役割を果たした。 3)その後の時代の主な領邦君主の統治システムの比較検討。 前年度と同じように、文献・史料の蒐集は、イタリアやフランス、イギリス関連の文献も含めて広く行った。
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Research Products
(1 results)