2007 Fiscal Year Annual Research Report
地理的位置情報に基づく携帯電話の情報サービスに関する実証的研究
Project/Area Number |
19520669
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒井 良雄 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50134408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箸本 健二 早稲田大学, 教育学部, 准教授 (10269607)
長沼 佐枝 早稲田大学, 教育学部, 助手 (00434259)
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Keywords | 携帯電話 / 位置情報 / セキュリティ / 商店街 / 地域プロモーション / GPS |
Research Abstract |
本年度は、下記の3サブテーマについて研究を進めた。(1)NTTドコモが提供している地域情報提供サービスである「iエリア」について、地区区分の詳細な位置データを第3次地域メッシュデータに対応させた人口・企業等の分布データの構築をGIS上で行った。また、飲食店や小売店舗などの情報サイトを系統的に閲覧し、情報コンテンツの地理的分布についての基礎的データを作成した。今後、これらに基づいて空間分析が可能なGISデータベースを構築し、詳細な分析を行う。(2)商店街における携帯電話およびインターネットを用いた地域プロモーションの実態把握のために、代表的事例として、金沢市竪町商店街、大阪市北区天神橋商店街および住吉区駒川商店街におけるヒアリング調査を実施した。その結果、a)商店街サイトに対する個別店舗の対応が二極に分かれつつあり、熱心な店舗は独自サイトにシフトする傾向があること、b)商店街の地域プロモーションにおいても更新が容易なブログ形式のサイトが中心となりつつあること等が判明した。(3)携帯電話のGPS等を利用したセキュリティ・サービスについては、文献・記事等から全体像を把握した上で、同サービスを提供している携帯電話会社・警備保障会社等の各種事業主体に対してヒアリング調査を行った。その結果、イ)同種サービスの利用者数は全国で100万を超えていると見られること、ロ)利用者の地理的分布は、ほぼ携帯電話利用者の分布に対応するが、警備保障会社では大都市、特に首都圏への集中が見られること、ハ)最近の急速な普及は利用者の「安心」欲求に起因する面が大きく、現実の「安全」確保には限界が認められるが、地域ボランティアの活動等によってこの限界を克服する可能性が指摘できること、等が判明した。なお、これらの成果の一部は、2008年6月にタリン(エストニア)で開かれたDigital Communities Conferenceにおいて発表し、多くの関心を集めた。
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Research Products
(2 results)