2008 Fiscal Year Annual Research Report
近代大和を中心とした産育習俗の変容に関する民俗学および人類学的研究
Project/Area Number |
19520716
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
安井 眞奈美 Tenri University, 文学部, 准教授 (40309513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 吉晴 天理大学, 文学部, 教授 (30184344)
齋藤 純 天理大学, 文学部, 教授 (00319922)
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Keywords | 民俗学 / 文化人類学 / 産育 / 子ども / 近代 |
Research Abstract |
平成20年度の研究実績は、主に次の三点である。第一に、シンポジウム「産む・育てる・伝える--昔のお産・異文化のお産に学ぶ」の開催である。本シンポジウムは、これまで進めてきた研究の内容を社会に還元するために、研究者だけではなく一般の人々も対象として実施した。とくに、聞き取りを進めてきた奈良県在住の助産師の方々の公開インタビューと、安井が文化人類学の調査研究を進めてきたパラオ共和国の研究者の発表を取り入れ、ディスカッションを行なった。出産に関して、日本とパラオ共和国の過去と現在を示し、日本の今日の出産環境が唯一絶対のものではないことを示すことができた。シンポジウムは、参加者の方々の反応もよく、新聞などの各種メディアでも取り上げられ、研究成果を広く社会に知らせることができた。平成21年度にシンポジウムの報告書を刊行する予定である。 第二に、本研究の目的である「奈良県風俗誌」の史料の翻刻作業を進めた。とくに、奈良県内の80種におよぶ史料に関して、「妊娠・出産」の項目の翻刻を終え、それをもとに、翻刻した部分の用語解説および解題の作業を進めた。翻刻については、次年度にその成果を刊行する予定である。 第三に、研究代表者の安井眞奈美がフランス社会科学研究院(ESESS)の招聘によりフランス・パリで数回、日本の出産文化について発表したことである。内容は、本科研の研究資料「奈良県風俗誌」をもとにした日本の近代の出産慣習についての分析などであり、英語で成果報告をする予定である。
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Research Products
(16 results)