2009 Fiscal Year Annual Research Report
近代大和を中心とした産育習俗の変容に関する民俗学および人類学的研究
Project/Area Number |
19520716
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
安井 眞奈美 Tenri University, 文学部, 准教授 (40309513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 吉晴 天理大学, 文学部, 教授 (30184344)
齋藤 純 天理大学, 文学部, 教授 (00319922)
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Keywords | 民俗学 / 文化人類学 / 産育 / 子ども / 近代 / 出産環境 / 安心 / 奈良県 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近代大和における産育に関する習俗や儀礼を、大正4(1915)年に編纂された「奈良県風俗誌」と呼ばれる膨大な史料群から明らかにすることにある。そして、それを基にして近現代における人々の出産観や子どもに対する意識、死生観などの変容を論じる。さらに研究成果を社会に還元するために、シンポジウムの開催と報告書および資料集の作成を行なう。このような最終目的に向けて、2009年度は以下のように研究を進め、成果を得ることができた。 1.研究成果の一般社会への還元として、2008年に開催した出産に関するシンポジウムの中間報告書を出版した。シンポジウムは、2008年12月に「産む・育てる・伝える-昔のお産・異文化のお産に学ぶ」と題して天理大学にて開催した。2009年10月に、シンポジウムの成果を『産む・育てる・伝える-昔のお産・異文化のお産に学ぶ』(風響社)として刊行した。 2.「奈良県風俗誌」の資料のうち、出産に関するすべての項目と子どもについての項目の一部を翻刻し、ほぼその作業を終えることができた。さらに、「奈良県風俗誌」の資料翻刻をもとにして、解説編の執筆を進めた。 3.奈良県の現代の出産環境に関する現状を明らかにするために、社会学者・田間泰子氏・内藤恵美子氏とともに「安心な出産のための奈良県アンケート」を実施。約4000通のアンケート用紙を奈良県在住の女性に配布し、回収、分析を行なった。年度末に『安心な出産のための奈良県アンケート調査報告書データ編』として、報告書の刊行を行なった。
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