2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530054
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鯰越 溢弘 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80037085)
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Keywords | 裁判員裁判 / 立証活動 / 公判前整理手続 / 証拠法 |
Research Abstract |
平成22年度の研究活動は、(1)実際の裁判員裁判対象事件の弁護人としての活動を通じて裁判員裁判に特有の立証活動の課題を明らかにすること、(2)英の陪審裁判及びドイツの参審裁判を傍聴して、裁判官等と面談して立証活動の課題について情報を収集すること、(3)日本及び外国の文献から証拠法について研究を深める計画の下に、研究を行ってきた。(1)については、外国人の否認事件の弁護人として、捜査-公判前整理手続-公判及び控訴手続を経験し、裁判員裁判における立証活動の課題及び問題点を明らかにしてきた。すなわち、被疑者弁護活動では、取調過程を録画することを検察官に申し入れた。検察官は録画をしなかったが、自白調書も作成されなかった。公判前整理手続においては、共謀共同正犯の訴因の特定を巡って主張を展開し、検察官の証拠調べ請求に対しては、不必要な証人調べには異議を述べ、証拠については、不同意とし、統合捜査報告書については、合意書面に近づける努力をした。公判では、冒頭陳述や最終弁論をパワーポイントで示す等の工夫を行った。(2)については、ドイツのミュンスター大学及びイギリスのブリストル大学を訪問し、それぞれの裁判を傍聴した。ブリストル刑事法院では、裁判官と懇談し、立証活動について示唆を得た。更に、ロンドン大学のLSEを訪問し、量刑についてLSEの教授と意見交換を行った。尚、イギリスの調査は、新潟地方裁判所の裁判官と共同で行った。(3)については、(1)を通じて明らかにされた裁判員裁判における立証活動の課題について、検討し、研究論文に纏めた。
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Research Products
(2 results)