2007 Fiscal Year Annual Research Report
競争秩序と消費者-消費者の目線に立った実効的市場ガバナンス制度の構築-
Project/Area Number |
19530061
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 清治 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 教授 (20212772)
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Keywords | 競争秩序 / 消費者 / 団体訴訟 / 差止め / 損害賠償 |
Research Abstract |
本研究は、消費者の目線に立った市場規制のあり方を、法的な観点から検討し、最終的には実効的な市場ガバナンス制度の構築を試みるものである。 ところで、従前の市場ガバナンスは、行政によるところが大きかったが、本研究の特徴は司法にも目を向ける点であり、先進国の多くで導入されている団体訴訟(ないしクラスアクション)に注目し、その機能分析を行うこととしている。日本でも消費者契約法の改正に伴い、消費者団体による差止請求が認められ、また独禁法や特定商取引法でも同様の方向性が志向されており、その理論的・実践的研究は単に学界のみならず、社会的にも求められている。さらに団体による損害賠償請求については、それをどのような制度として構築するかによって、制度導入の成否が決せられかねない状況にあり、その理論的・機能的分析が焦眉の急を要する課題となっている。 このような問題関心の下、本年度は、まず基礎理論的な研究として、消費者にとって必要とされる市場規制のあり方について、消費者の特性のみならず、商品の特性にも配慮しつつ検討し、池田清治・競争秩序と消費者(NBL863号73-80頁)として公表した。またこれに基づき、日本私法学会において同名の報告を、シンポジウムのパネリストの1人として行った。さらに池田清治・消費者団体の団体訴訟(北大法学論集57巻6号106-131頁)において、団体による差止請求権及び損害賠償請求権の機能分析を行い、公表した。
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Research Products
(4 results)