2007 Fiscal Year Annual Research Report
女性の政治的代表に関する総合研究:国際比較からみた日本の過少代表の分析
Project/Area Number |
19530116
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
衛藤 幹子 Hosei University, 法学部, 教授 (00277691)
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Keywords | ジェンダー / 政治代表 / 過少代表 / 政党 / 女性有権者 |
Research Abstract |
1.国内調査とその成果(1)女性団体,男女学生,一般的な男女など,305名に対して日本における女性の過少代表という現状についての意見,女性候補者に対する選好,クオータ制度導入への賛否などについて試行的なアンケート調査を実施した。女性の過少代表を問題視しつつも,女性だからといって必ずしも女性候補者に投票するというわけではなく,しかも女性議員を確実に増やすためにクオータを導入することに賛成ではないという傾向が明らかになった。(2)07年7月の参議院議員選挙女性候補者11人(自民党1,民主党8,社民党2)にインタヴュー及び書面で女性議員数の現状やクオータ制度について意見を聞いた。全員が日本の女性議員数は少ないのでもっと増やす努力をすべきだと考え,また積極的ではないまでも,手段の一つとしてクオータの導入に賛成であった。 2.国外調査とその成果(1)8月8〜9日にマレーシアにおける女性の政治代表について,Sharifah Hassan博士(University of Kebangsaan in Malaysia)並びにRashila Ramli博士(同上)に聞き取り調査を行ない,マレーシアでは,クオータは導入されておらず,そのため女性議員がなかなか増えないという実態が明らかになった。(2)台湾における女性議員の高比率(国政では30%,地方議会は平均で26%)の背景を知ることを目的に,高雄市議会議員(国民党)陳麗娜氏,台南市議会議員(民進党)邸莉莉氏,国立成功大学政治経済研究所?麗君准教授(政治学),国立清華大学社会学研究所周碧娥教授(社会学)などにインタヴューした。台湾では,「保障名額」と呼ばれる女性ヘの議席割り当て制度(割り当て率25%)が憲法に基づいて実施されており,これに女性運動の影響力の強さや政党間の競合などが相まって,女性の政界進出が強力に支援されていることがわかった。 3.学会報告・学術交流(1)8月1日〜8月5日:第5回アジア研究者大会(2)11月13日〜17日:北東部アメリガ政治学会年次総会に出席。(3)11月18日〜21日には,ニューヨーク市立大学ジョイス・ゲルブ教授と研究交流。
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Research Products
(3 results)