2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530125
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
小西 秀樹 Kansai University, 政策創造学部, 教授 (90309203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 哲和 関西大学, 政策創造学部, 教授 (00268327)
吉岡 至 関西大学, 社会学部, 教授 (20248793)
廣川 嘉裕 関西大学, 法学部, 准教授 (10388407)
脇坂 徹 関西大学, 付置研究所, 研究員 (80411502)
窪田 好男 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (60330411)
|
Keywords | 政策過程 / ポピュリズム / 政治意識 / NPO・NGO / 小泉改革 / 地方選挙 / 新自由主義的改革 / 住民投票 |
Research Abstract |
小泉政権以降、中央政府および地方政府における政策形成の場で、重視される価値がどのような変容を遂げているかを明らかにすることが本研究の目的である。これに対して、(1)小泉政権下でその流れが加速した公共サービス領域の改革において、重視されることになったNPOと行政との協働、(2)小泉内閣による「骨太の方針」から加速した市町村合併、(3)マスメディア(特にテレビ政治との関連)の政策過程における役割と小泉政権における「ポピュリズム的手法」との関係、(4)小泉政権以降に実施された地方選挙における有権者の価値観、に主たる焦点を合わせて、数量データと事例研究を用いた多面的な分析を行った。先行する研究および調査から予想されたのは、ポピュリズムおよびネオリベラリズム的な指向を多くの有権者が持つようになり、そのことが政策形成の態様にも一定の影響を及ぼしているということである。われわれの分析でも、地方議会や地方自治体といった既存の体制への不満・不信が、政策の形成と実施におけるNPOの役割増大および住民投票の増加と関係することが明らかになった。これは、ポピュリズム的価値の重みが増していることにもつながる。また、ポピュリズム的政治手法への評価がマスメディアを通じて高まり、その結果として政策過程におけるメディアの役割も増大したことも示された。だが、2008年の大阪府知事選挙時にわれわれが有権者に対して行ったサーベイ調査の分析では、有権者のポピュリズム的指向およびネオリベラリズム的指向のどちらもが、投票意思決定に影響を及ぼしていなかった。これら2つの価値がいまだ優勢である可能性は高いものの、一方でそれが退潮していく兆しがあることも明らかにされた。
|
Research Products
(4 results)