2007 Fiscal Year Annual Research Report
ベイズ法による動学的多変量離散選択モデルの推定方法の開発とその応用
Project/Area Number |
19530177
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 光 Hokkaido University, 大学院・経済学研究科, 教授 (30189534)
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Keywords | ベイズ統計学 / MCMC / 順序プロビットモデル / 動学的離散選択モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は,ベイズ法による動学的多変量離散選択モデルの推定方法の開発とその経済データへの応用である.離散選択モデルのベイズ法による推定方法に関しては,Albert&Chib(1993:JASA)をはじめとして,今日まで多数の研究がなされてきた.しかし,パネル・データに対応した動学的多変量順序データモデルの推定を試みた文献は今までにそれほど多くはない.そこで,本研究の目的の1つは,パネル・データを用いた動学的多変量順序データモデルのベイズ推定の方法を開発することにある.また,本研究で開発したベイズ手法を実際の経済パネル・データに適用することで,単に統計的手法の開発にとどまらず,その実行可能性を明らかにする.以上により,経済パネル・データ及び経済サーベイ・データを用いて離散選択モデルの実証分析を行う多くの分野に貢献できる. 具体的には,平成19年度は,ベイズ法による多変量順序プロビットモデルの推定を考え,北海道の観光客の満足度データ,家計経済研究所の「消費生活に関するパネルデータ」の各種満足度データに適用し,幾つかのディスカッション・ペーパーにまとめた.また,ベイズ法による1変量動学的順序プロビットモデルの推定を考え,「消費生活に関するパネルデータ」に適用した.本年度の研究成果は次年度以降に行う予定であるベイズ法による動学的多変量順序データモデルの推定手法の開発に活かされていくものである.なお,本年度にディスカッション・ペーパーにまとめられた研究成果の一部は既に海外の専門誌に投稿中であるかあるいは投稿予定である.
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