2009 Fiscal Year Annual Research Report
月次GDPギャップのベイズ推定とギャップ確率指数の開発
Project/Area Number |
19530185
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
村澤 康友 Osaka Prefecture University, 経済学部, 教授 (00314287)
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Keywords | 景気指数 / 月次GDP / GDPギャップ |
Research Abstract |
景気の研究は「景気の計測」「景気予測」「景気分析」の3つに分けられる.「景気の計測」は他の2つの前提である.景気の計測では「景気」を明確に定義する必要がある.景気一致指数は「景気」の計測値と解釈できる.「景気」の定義は「実質GDP」「GDPギャップ」の2つが考えられる.アメリカの景気基準日付を決定するNBERは「景気=実質GDP」と定義している. Empirical Economicsに掲載された論文ではストック=ワトソン景気指数における1因子モデルの仮定が実際のデータで成立しないことを示した.また因子分析の視点からコンポジット・インデックス(CI)の改善方法を示した.Oxford Bulletin of Economics and Statisticsに掲載された論文では「景気一致指数の作成」と「月次実質GDPの推定」を統合した. インフレ(デフレ)期待の計測は金融政策の運営において重要である.最も直接的な計測方法はアンケート調査である.日本では2004年4月から「消費動向調査」が充実し,家計の期待インフレ率が「順序データ」でなく「区間データ」で得られるようになった."Measuring Inflation Expectations Usinglnterval-Coded Data"ではカールソン=パーキン法を拡張し,家計の期待インフレ率の分布の推移を「歪んだt分布」を用いて推定した.分布の位置・ばらつき・歪み・尖りに注目し,「期待の異質性」の推移に一定のパターンがあることを示した.また「コンセンサス予測」が将来のインフレ(デフレ)の予測に役立つことを示した.
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Research Products
(7 results)