2007 Fiscal Year Annual Research Report
文化-経済モデルの構築と地域再生に関する政策提言-日仏比較研究-
Project/Area Number |
19530233
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
垣内 恵美子 National Graduate Institute for Policy Studies, 政策研究科, 教授 (90263029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 忠裕 政策研究大学院大学, 政策研究科, 研究助手 (20422587)
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Keywords | 文化政策 / 経済政策 |
Research Abstract |
現在,確たる産業基盤を持たない地域では,地域経済を活性化するために,文化資本を用いた産業基盤の構築が試みられているものの,文化資本と市場経済とを如何に調和させるか,また,付加価値を持った産業基盤を如何に創出するかが課題となっている。その中で,文化資本から得られる財・サービスの付加価値が向上し,地域の活性化・再生に貢献する「文化-経済モデル」の構築が急務となっている。 本研究の目的は,各地域における文化活動・文化財が経済活動を通し,如何に地域社会の住民生活や産業に影響を与えているかを分析することにある。 そのため,各地域における文化遺産・芸術活動から発生した経済活動に関するデータを収集し,産業連関表を作成した。また,経済と文化活動に関連した追加的な要因として,フェスティバルを取り上げ,地域の産業連関表を作成している。この作業を通し,文化関連活動と産業との主たる関連項目が発見されたとともに,文化関連活動より発生した生産活動が地域社会に与える経済的な影響が分析された。 さらに,これらの産業連関表をもとに,対象とした国内の文化活動が生産活動に与える影響について分析を行なっている。この分析過程では,国内の利用可能なデータを収集し,人的交流,知的・文化的価値の創造の経済効果について分析を行い,次に,産業活動との関連性を定式化したシミュレーション分析を行い,包括的な文化活動の影響について分析することを視野に入れている。 同時に,フランス国内の研究協力者と連携し,両国間における文化活動の差異と経済活動との関連性について討議し,両国間での国際的な分析モデルの構築に向け,取り組みを進めている。
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