2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際物流のグローバルリンケージが日本経済の構造変化に及ぼす影響に関する実証分析
Project/Area Number |
19530262
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
宮下 國生 Osaka Sangyo University, 経営学部, 教授 (60030714)
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Keywords | 国際ロジスティクスサイクル / グローバルリンケージ / 日本の失われた10年 / アジア物流 / 雁行的発展 / 構造転換 / モード選択 / 製造業の競争優位 |
Research Abstract |
21年度の研究実施計画は、(1)1980年代以降の日本経済の対米、対EU及び対アジアの貿易とグローバルなリンケージの下で形成された構造変化を内包した長期サイクルの形状と周期を実証的に抽出すること、(2)1990年代後半以降のアジア経済における雁行的発展の構造をアジア物流に関するJournal of Commerce社のPIERSデータを用いて実証的に解明すること、及び(3)20年度研究実績である日米ロジスティクス革新力の比較実証分析の成果を一層深めるために政策比較を行うことの3点であり、その中心は(1)と(2)である。 1.研究計画の(1)は、本年度研究成果「国際ロジスティクスサイクルと日本経済の構造転換」『大阪産業大学経営論集』11巻2号、61-83頁において結実している。経済構造の先端的な動態指標として選択した航空物流とコンテナ船物流の地域別シェア変化がグローバル経済の中で連携しつつ推移する状況を計量分析によって推定し、対米で16年、対EUで12年、対アジアで14~16年の循環周期が存在することを実証するとともに、我が国の失われた10年が需要不足の潜在的革新期に当たり、日本製造業の競争優位が存在していたことを導いている。 2.研究計画の(2)は、本年度研究成果であるStructural Change in the International Advanced Logistics, The Asian Journal of Shipping and Logistics, Vol,2, No.1, pp.121-138において、単純標準化品における中国の競争優位と明確な雁行的発展と標準差別化品における中国、韓国、ASEAN、日本の星雲状態での競争の存在を、アジア・太平洋物流の国・商品別の変動係数と成長率を算出して明らかにした。また本成果については海外で招待講演も行った。なお研究協力を希望していた中国の研究者は、協力を必要とする時期にインフルエンザの影響で出国できなかったので、単独研究となった。 3.研究計画の(3)は、研究成果「経済活動のグローバル化と港湾整備の課題」『運輸と経済』171巻2号2-3頁に一部現れているが、今後も継続的研究課題としたい。
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Research Products
(5 results)