2008 Fiscal Year Annual Research Report
ワーク・ライフ・バランスの測定尺度の開発と影響度の検証
Project/Area Number |
19530331
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
西久保 浩二 University of Yamanashi, 教育人間科学部, 教授 (70447704)
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Keywords | ワーク・ライフ・バランス / 人的資源管理 / 福利厚生 / メンタルヘルス / 次世代育成 |
Research Abstract |
本研究では、西久保(2004)及び西久保(2006)の研究を元に以下の三点を明らかにすることを目的とした、そしてその成果は以下のとおりである。 1.労働者個人の自覚的(主観的)ワーク・ライフ・バランス評価尺度の開発を行い、同観測対象概念の内部的な関係構造を明らかにする(測定尺度の開発と検証)。この尺度は多くの企業、職場で利用可能になる。 成果としての自覚的尺度の開発は三度の修正と三度の標本調査での尺度としての妥当性、一般個人での回答容易性などの点が検証され、完了した。一般従業員での自覚的測定が可能となった。 2.尺度によって生成されるワーク・ライフ・バランス指標の変動に統計的に有意な影響を与える要因の発見を目的とした結果、その成果として職場での仕事要因(残業時間、休暇取得数、職種など)と、家庭生活における家庭・個人要因(乳幼児の有無、本人年収、既婚、配偶者職業など)が数多く発見された。仕事と生活の両面からワーク・ライフ・バランスが影響を受けていることが確認された。これらの要因の特定によって、企業側の制度整備・運用の改善として何が有効が示唆された。 3.開発した尺度に基づいて測定されたワーク・ライフ・バランスの状態が経営的効果、特に人的資源管理上、重視される態度形成にどのような影響を与えるものかを明らかにすることを第三の目的とした。成果として、良好なワーク・ライフ・バランスな状態が従業員の定着性、貢献意欲、組織コミットメント等を高めるものであることが統計的に検証され、企業が制度投資を行う価値があることが示唆された。
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Research Products
(5 results)