2008 Fiscal Year Annual Research Report
多国籍企業におけるマーケティング・ノウハウを移転する組織能力にかんする研究
Project/Area Number |
19530348
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山口 隆英 University of Hyogo, 大学院・会計研究科, 教授 (90272096)
|
Keywords | マーケティング・ノウハウ / バウンダリースパニング / ローカルマーケット / マーケティングナレッジ |
Research Abstract |
平成20年度は、マーケティング・ノウハウの移転に関わる既存研究の資料を整理するとともに、マーケティング・ノウハウの移転と海外市場での活動状況との関係性を明らかにするために、中国でのトヨタ自動車、マレーシアでのパナソニックという日本を代表する企業を中心に現地調査を行った。 第一に、既存研究の検討において、マーケティング・ノウハウが、市場と組織のバウンダリースパニングの知識であり、各市場において適合される可能性が高くなる。その場合、どのような問題が生じるのかという点が、マーケティング・ノウハウの移転において、大きな問題になることが明らかになった。 第二に、パナソニックのケースでは、この問題を中心的に把握するために、現地でどのような対応が取られているのかを調査した。結果として、日本国内のマーケティング・ノウハウだけでは十分に対応できない、独自のローカルマーケットの開拓が生命線になっており、そのために、日本から提供される知識に加えて、ローカルの知識蓄積を進めることの重要性が高まっていることが明らかになった。 そして、第三に、トヨタのケースでは、世界戦略車として開発されたヴィッツ(現地名ヤリス)が、中国マーケットで苦戦している状況を調査した。現地で蓄積されているマーケティングナレッジが、世界戦略との間で十分に活用されていない状況が明らかになった。
|