2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織能力の再構築による復活戦略-日中韓企業の比較研究-
Project/Area Number |
19530352
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
今口 忠政 Keio University, 商学部, 教授 (40102941)
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Keywords | 組織能力 / 組織能力の再構築 / ケイパビリティ / 日中韓企業 / アンケート調査 |
Research Abstract |
近年、コア事業に経営資源を集中させ、本業重視のキャッシュフロー経営へと転換する企業が多くみられる。本研究は、従来の拡大志向の経営から高付加価値経営へと転換するために、事業構造、組織構造を組みかえる戦略を「組織能力の再構築プロセス」としてとらえ、そのために必要な組織能力を明確化することが目的である。そのために、日本企業の組織能力を中国企業、韓国企業の能力との比較研究を通じて明確化しようとしている。 平成19年度は、組織能力に関する文献研究、停滞傾向の企業を組織能力の再構築によって復活する過程のケース研究(コマツ)を行い、また、中国のキューピー、ゼロの合弁会社を訪問して、日本企業と中国企業との組織能力の相違に関するインタビュー調査を試みた。平成20年度はケース研究から得られたデータを詳細に検討して調査項目を考案し、日本の上場企業を対象としてアンケート調査を実施した。アンケートデータの分析結果は、慶應義塾大学商学部の機関誌である「三田商学研究に」投稿中である。また、日中韓企業の組織能力の比較を試みるために、「コマツ」に加えて札幌のIT企業群、中国企業の「バイデユー」、韓国企業の「サムスン」を訪問して、インタビュー調査を行った。これらの一連の調査によって、日本企業の競争優位の源泉である組織能力と、その再構築に関する貴重な知見が得られた。今後は、これらの資料をさらに詳細に分析し、文献研究、ケース研究、アンケート調査結果を統合して、日本企業の組織能力の形成、現状、再構築プロセスを明確化したいと考えている。
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Research Products
(2 results)