2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530434
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
渡邊 勉 Shinshu University, 人文学部, 准教授 (30261564)
|
Keywords | ライフヒストリー / インターネット調査 / 職業経歴 |
Research Abstract |
今年度は、インターネットによるライフヒストリー調査を試験的に実施した。ライフヒストリーに関する調査は、調査内容の複雑さから、従来面接調査が主流であった。しかし近年の調査環境の悪化から、多くの個人情報を聞き出す調査はきわめて困難となっている。そこで本研究では、インターネットを利用することで、ライフコース調査がどこまで可能か、その可能性を探ることにした。教育歴、職歴、家族歴、居住歴などライフコースに関するデータをコンピュータ上の表に書き込んでいく調査票を作成した。従来ライフコースデータを作る場合、データクリーニングに多大な労力を必要としてきたが、調査票をある程度パソコン上でプログラム化することによって、矛盾のないデータ入力を対象者がするようにし向け、データの精度を上げる工夫をした。また夫婦をセットでデータ化することによって、夫婦間のライフコースの関連をさぐるためのデータを作成した。くわしい分析については、来年度おこなうことになる。 また今年度は、面接調査(SSM調査)、郵送調査(信州大学人文学部卒業生調査)などの既存の職歴、ライフコースデータをいくつか利用し、データ作成の方法や計量的な分析の可能性を探った。近年生存分析や、OMA、 TDAといった分析手法が注目されているが、そうした手法を実際に利用しながら、それぞれの分析手法の利点、欠点を明らかにし、どのような分析手法を利用することで、ライフコースの特徴をより鮮明に明らかにすることができるかを検討した。来年度は、今年度収集したデータを利用し、夫婦のライフコースの特徴、パターンについて、詳細な分析をおこなう。
|