2008 Fiscal Year Annual Research Report
国際結婚と「東アジア共同体」:日本人-タイ人の結婚を中心として
Project/Area Number |
19530439
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤井 勝 Kobe University, 人文学研究科, 教授 (20165343)
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Keywords | 国際結婚 / 東アジア / タイ / 日本 / 夫婦 / 家族 / 社会開発 / 異文化 |
Research Abstract |
1.今年度はタイに調査の中心において、国際結婚の聞き取り調査等を実施した。 (1)農村部であるコーンケーン周辺の調査では、昨年度の聞き取り調査の追跡調査を重視した。そのなかで、とくに国際結婚における夫婦関係、そしてこれら夫婦と実家(タイ)の関係変化が明らかになった。つまり日本人と結婚した娘(姉妹)やその夫婦に対する実家側(タイ)期待は、結婚当初→子供の誕生→子供の成長というライフステージに応じて変化し、最初は仕送り等の経済的期待が強いが、次第に、娘(姉妹)やその子供の健康な生活、円滑な人間関係などの社会的期待へと比重を移している。 (2)農村部と都市部の比較のために、バンコクの日系幼稚園で園関係者や、日本人-タイ人夫婦に聞き取り調査を実施した。3園で調査したが、内1つでは園児の約半数が日本人-タイ人夫婦の子供であった(園関係者も、タイ人との国際結婚、あるいはその経験者であることが多い)。聞き取りに深浅はあるが、全部で10数例を調査できた。ほとんどがバンコク中心地の日本人居住地区に住み、社会経済的な背景には一定の多様性があるものの、日本の大都市部の日本人-タイ人夫婦より安定した階層を形成している。また子供達の多くは日本人学校に進学し、日本人として育てることを重視している。 2.12月4日に、Center for Research on Plurality in the Mekong Region(コーンケーン大学)と共催で、タイ人女性の国際結婚に関する研究セミナーを開催した。このセミナーでは、東北タイ女性を中心とする国際結婚のあり方、そしてその中での日本人男性との国際結婚の性格や特質を明らかにした。また成果を、英文報告集「Seminar on Cross-cultural Marriage of Thai Women」(全105頁)として印刷物にまとめた。 3.比較のために、韓国の国際結婚に関して主に忠清南道の農村部で外国人妻(とくにベトナム人)や関連する地域のセンターへの聞き取り調査を行い、現状や問題点などが明らかになった。
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Research Products
(6 results)