2007 Fiscal Year Annual Research Report
人権の安保問題化:北朝鮮からの脱北者に対する中国、韓国、米国の人権政策の比較分析
Project/Area Number |
19530457
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
金 美景 Hiroshima City University, 付置研究所, 講師 (50423968)
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Keywords | human rights / refugee from North Korea / securitization / security issue / illegal migration / South Korea / China / United States |
Research Abstract |
本プロジェクトは中国や韓国へ殺到する北朝鮮難民に対して、6ヵ国協議国の安全保障の観点から、東アジアの人権擁立に焦点を当てたものである。冷戦終了後、特に2001年の9・11テロ以降、人権・不法移住・環境悪化に関わる地域情勢は国際安全保障問題として受け止められるようになってきている。中国は約40万人の北朝鮮難民を抱えているが、不法移民ととらえており、難民と認めていない。しかし、確かな労働力としての経済的背景から大目にみている。韓国は住居・教育などを提供しながら、難民を受け容れてきた。しかし最近はベトナムや他の仲介国から流入する難民に危機感を抱き、難民増加を抑えるための新たな方法(難民審査基準の強化など)を模索している。日本やアメリカは中国内で強制結婚や売春行為の犠牲者となった女性などを中心に少数の北朝鮮難民を受け容れている。総じて、北朝鮮国内や中国内での北朝鮮の人々への人権侵害に対する人権擁立の動きは6ヵ国協議の特徴と同じあいまいさと緊張にあいまって作動している。 研究実績 1 2007年4月ソウル出張。脱北者とのインタビュー実施 2 2007年10月富山市出張。北東アジア経済フォーラムへ参加し、モンゴル・中国・ロシアからの参加者と会談し、各国内の脱北者についての情報収集 3 2007年11月東京出張。北東アジアの安全保障に関しての日本の専門家(防衛研究所員)と会談 4 2008年3月米国アトランタ出張。アジア学会に参加し、論文発表。 成果 1 Kevin Cooney、Yoichiro Sato氏共著の本に1章執筆(2008年11月にRoutledge社から出版予定) 論文タイトル"North Korean Refugees and Human Rights Debates in China"
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Research Products
(3 results)