2008 Fiscal Year Annual Research Report
岡山孤児院と大阪汎愛扶植会の<慈恵的>保護と<社会的>援助-移民事業との関連で
Project/Area Number |
19530511
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小野 修三 Keio University, 商学部, 教授 (90103902)
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Keywords | 児童福祉 / 移民事業 / 植民地 / 朝鮮総督府 / 石井十次 / 加島敏郎 |
Research Abstract |
本年度は明治43年韓国併合の年に慶尚北道大邱府近郊に創設された加島敏郎の朝鮮扶植農園に関して、日本国内では入手不可能な朝鮮総督府文書およびその他の刊行物を求めて、2度の韓国出張を試みた。出張先は1回目(2008年8月)がソウル・アーカイブズ・インフォーメイション・センター、2回目(2009年2月)が釜山広域市立市民図書館、大邱広域市立図書館、大邱SOS子供村であった。 前者では埼玉・西川口所在の文化センター・アリラン所蔵の韓国政府総務處政府記録保存所発行『政府記録保存文書索引目録-第1輯第4巻日政篇1992』にある「1936年私設社会事業団体国庫補助書類」中に朝鮮扶植農園関係書類があることがわかり、同書類閲覧のためにソウル広域市内の上記センターに出張した。同書類は現在デジタル化されて、分類番号も変更されていたが、同センター内にてPC画面上での閲覧・複写が許可されていたので、朝鮮総督府側で朝鮮扶植農園がどう評価されていたかを認識することが出来るに至った。 2回目の出張では釜山広域市立市民図書館が2005年に刊行した『藏書目録(朝鮮關聯解放前日書篇)』を研究協力者安東邦昭氏から入手し、同目録中の10点を閲覧・複写する目的で出張した。同目録を作成した鄭世英氏(前同図書館員)の協力を得て、朝鮮総督府統治期の同地で刊行された人名辞典等を調査し、加島を継いで理事となっていた徐丙朝らに関する情報を入手することが出来た。また朝鮮扶植農園の跡地に建つ大邱SOS子供村を2年前に次ぎ2回目の訪問を行ない、同村の朴神父から加島敏郎に言及のある戦後めカトリック教会関係文書(大邱大教区設定100周年記念基礎資料集7)その他の複写物を頂戴出来た。
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Research Products
(2 results)