2009 Fiscal Year Annual Research Report
極低出生体重児へのソーシャルワーク実践モデルの開発
Project/Area Number |
19530539
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
宮崎 清恵 Kobe Gakuin University, 総合リハビリテーション学部, 教授 (90268558)
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Keywords | 極低出生体重児 / ソーシャルワーク / 実践モデル / 援助手続き / NICU |
Research Abstract |
2007年度末に行った周産期母子保健センター・母体・胎児専門医研修施設・新生児専門医施設、計766施設においてソーシャルワーク業務を担当している職員に関する実態調査の援助内容の分析をさらに進め、極低出生体重児への援助を担当した調査対象者の援助が必要であった時期ごとの、各援助内容の特徴について分析した。6つの援助内容のカテゴリー((1)受診・受療援助、(2)経済的問題の解決、調整援助、(3)療養中・子育て中の心理的・社会的問題の解決・調整援助、(4)子どもと社会との関係形成・調整援助、(5)退院援助、(6)地域活動のそれぞれについて、"している一していない""重要である-重要でない""実施は困難である-実施は困難でない"の程度を5段階でたずねた結果を、"極低出生体重児への援助の典型と思われるケース"を担当したことがある169と、担当したことがない294の対象別に比較してみた。極低出生体重児への援助の典型と思われるケース"を担当したことがある169にかかわりが必要であった12の時期のうち上位5つに援助が多く必要であった順に番号を付してもらった。「1、2」の番号が付された時期は、上から、子どもの退院前、NICU入院直後、母の退院前、母体入院中、診断がついた時期であり、それらに時期に共通して多くのソーシャルワーカーが行っていた援助は経済的問題の解決、調整援助と退院援助であった。また、各時期に特徴的な援助内容も把握できた。退院援助と療養中・子育て中の心理的・社会的問題の解決・調整援助については、典型ケースを担当した196の群が、よりその業務を重要と捉えていることが伺えた。他のカテゴリーにおいても有意ではなかったものの、概ね典型ケースを担当した群が、よりその業務を重要と捉えていることがわかった。これらのことは、ケースの担当経験がこの分野のソーシャルワークの必要性を認識する契機となっていることを示しており、周産期・新生児期・小児医療分野の医療機関においてソーシャルワークを行うのであれば、積極的にその分野のケースを担当する、あるいは担当できるよう、施設環境とソーシャルワーカーに働きかけることが重要であると考察できた。上記の結果をもとに実践モデルの中の援助手続きの叩き台を作成した。
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Research Products
(5 results)