2007 Fiscal Year Annual Research Report
リーダーシップ過程におけるフォロワーの自己概念の役割に関する研究
Project/Area Number |
19530558
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂田 桐子 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (00235152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淵上 克義 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20202294)
高口 央 流通経済大学, 社会学部, 講師 (00397936)
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Keywords | 社会系心理学 / リーダーシップ / 集団 / フォロワー / 自己概念 |
Research Abstract |
本年度の目的は,(1)どのような集団状況及び個人特性が,集団メンバーの個人・関係・集合レベルの自己概念を顕現させるかを検討すること,(2)集団効力感の測定方法を確立し,リーダーシップ有効性におけるフォロワーの集団効力感の仲介効果について検討すること,の2点であった。 (1)については,集団状況として,個人間競争状況が個人的自己を,各人が異なる役割分担の下で集団内協力を行う状況が関係的自己を,集団間競争状況が集合的自己を顕現させることが予測された。実験と実在集団に関する調査によって,この予想は概ね支持された。ただし,関係的自己と集合的自己に関する結果には明確に区別されない部分があり,測定上の問題が残された。また,個人特性としての集団所属経験については,自己概念に及ぼす効果が認められなかった。次年度は,引き続きこれらの問題について検討する必要がある。 (2)については,数種類ある集団効力感の測定方法を整理し,その特徴を把握した。集団効力感の測定方法については現在も検討中であり,次年度も引き続き検討する必要がある。 その他に,次年度の研究に向けた予備的検討として,個人レベル及び集合レベルの自己概念が顕現したフォロワーに対して,どのようなリーダーシップスタイルが有効なのかを,調査によって検討した。その結果,関係的自己が顕現したフォロワーに対しては,集団全体ではなくフォロワー個々人に働きかける個人化されたリーダーシップが有効であることが示唆された。次年度は,これらの結果をより厳密な実験状況で確認する必要がある。
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