2007 Fiscal Year Annual Research Report
高機能自閉症児における情動表出と情動理解の障害と発達
Project/Area Number |
19530588
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
別府 哲 Gifu University, 教育学部, 准教授 (20209208)
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Keywords | 高機能自閉症 / 情動 / アタッチメント / 孤独感 / 思春期 |
Research Abstract |
今年度は以下の3点についての検討を、重点的に行った。 1. 高機能自閉症児の情動表出が現れる一例として、アタッチメント対象との関係形成が挙げられる。定型発達では、アタッチメント対象を安全基地とする関係が形成されると、アタッチメント対象との分離における不安や不快、再会における喜びの情動表出がなされるはずである。その点についての、高機能自閉症児を含めた自閉症児の、質的な障害と発達過程について、文献研究と縦断研究をもとに検討した。その結果、自閉症児もアタッチメント関係形成は可能であること、しかしそれが言語に代表される知的能力と関連するという独自の連関を示し、そこに障害による特異性の存在が示唆された。 2. 思春期における高機能自閉症児は、他者と自分の関係を意識し始めることにより、他者に受け入れられない自分を感じることで、不安や不快が高まると、二次障害としての問題行動(例えば、不登校、暴力的行為)につながることが指摘されている。この思春期における不安や不快といった情動は、他者との関係における孤独感(isolation)と関連していることが予想される。そこで小学1年〜中学3年までの高機能自閉症児と健常児に、孤独感尺度を施行した。その結果、両者の差が、思春期の入り口である小学校高学年で顕在化すること、さらにそれが健常児であれば、対人関係のコンピンテンスと有意な相関があるのに対し、高機能自閉症児ではそういった相関がみられないという、質的な特異性が存在することが明らかにされた。 3. 日常生活場面における典型的情動表出行動である、泣きの分析を行うため、分析機器を購入し、データ入力をしながら分析指標の析出を行ってきた
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Research Products
(1 results)