2009 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の園生活理解の発達過程:家庭での様子からの検討
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19530598
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
藤崎 春代 Showa Women's University, 生活機構研究科, 教授 (00199308)
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Keywords | 幼児 / 園生活理解 / 家庭 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
21年度は、幼稚園3歳児クラス入園児の保護者に対する、入園直前から卒園に至る3年余りの間に8回実施する質問紙調査と2回実施する日誌記録調査からなる縦断研究の、1・2回目の質問紙調査および1回目の日誌記録調査から得られた資料にもとづく分析を主に行った。 まず、家庭と園との生活時間の調整(起床・就寝時刻、昼寝の有無、生活習慣上の配慮、家族全体への影響)に注目した分析を行った。その結果からは、入園後の園生活の経過の中で、主に登園時間を意識して、生活時間が調整されていく様子と共に、園生活適応に向けての調整は家庭全体を巻き込んで進んでいく過程であることが明らかとなった。 一方、幼稚園入園直後の1週間に、保護者が家庭でとらえた園生活にかかわる子どもの様子とそれへの保護者の反応の日誌記録の分析からは、園生活適応のタイプとしてくエンジョイ>・<涙とにこにこ>・<不安>の3つが見出された。入園当初より、園生活を楽しみに登園する子どもが多いものの、登園時には大泣きする子どもや、不安な様子を示す子どももいることが確認できた。こうした家庭でとらえられる子どもの様子に対して保護者は、子どもの行動やことばの意味を推測したり、その推測に基づいて対応したりといつた配慮していたが、これは、冷静・客観的に行われるものではなく、保護者自身の感情が動いていることが明らかとなった。保護者も、子どもが行動やことばを通して家庭に持ち込む園生活に巻き込まれていくようである。
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Research Products
(2 results)