2008 Fiscal Year Annual Research Report
<けんか>についての認識の発達の多様性:幼児期3年間の縦断的研究
Project/Area Number |
19530601
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
久保 ゆかり Toyo University, 社会学部, 教授 (10195498)
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Keywords | けんか / いざこざ / 幼児期 / 縦断的研究 / インタビュー法 / 参与観察 / 概念的知識 / 手続き的知識 |
Research Abstract |
幼児は、仲間との<けんか>をどのように捉えているのかについて、19年度にインタビューを実施した4歳児たちの1年後を追って、4歳時点から5歳時点への発達的変化を縦断的に検討した。具体的には1対1のインタビューをおこない、(1)<けんか>についての概念的および実際的な認識を尋ねる質問と、(2)手続き的な知識を尋ねる質問をした。質問の例は次の通りである;質問(1)「○○組で、<けんか>になること、あるかな?」、「どうして<けんか>になるのかな?」「そういうときには、どうしたらいいのかな?」。質問(2)人形を2体用意して、物の取り合いを演じて見せて、対処の仕方について尋ねる。「『貸して』、『ダメ!』になっちゃったね。こういうとき、どうしたらいいかな?」、「そのあとは、どうなるかな?」。また、週1回、自由遊びを参与観察し、いざこざも含め子ども同士のやりとりをフィールドノーツに記録した。その結果、4歳時点では<けんか>になることはないと答えることが多く見られたが、1年後の5歳時点では、<けんか>になることがあると答えることが見られるようになった。ただし、その内容は紋切り型であり、対処の仕方については「わからない」と答えることが多く見られた。人形が物の取り合いを演じる状況で質問すると、4歳時点では、“物を交替で使う"ことを動作により答えることが見られたが、1年後では、「貸すの」「順番こ」といったように、ことばで答えるように変化した子どもたちが多く見られた。そこから4時点から5歳時点への変化として、〈けんか〉についての手続き的な知識が言語により表象され、より一般化されていくという経路がある可能性が示唆された。21年度はさらにその5歳児たちの1年後の6歳時点を、縦断的に検討する予定である。
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Research Products
(2 results)