2009 Fiscal Year Annual Research Report
<けんか>についての認識の発達の多様性:幼児期3年間の縦断的研究
Project/Area Number |
19530601
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
久保 ゆかり Toyo University, 社会学部, 教授 (10195498)
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Keywords | けんか / いざこざ / 幼児期 / 縦断的研究 / インタビュー法 / 参与観察 / けんかへの対処方略 / 手続き的知識 |
Research Abstract |
幼児は、仲間との<けんか>をどのように捉えているのかについて、20年度にインタビューを実施・分析した5歳児たち(19年度にインタビューを実施・分析した4歳児たちと同じ子どもたち)の1年後を追って、5歳時点から6歳時点への発達的変化を縦断的に検討した。具体的には1対1のインタビューをおこない、(1)<けんか>についての概念的および実際的な認識を尋ねる質問と、(2)手続き的な知識を尋ねる質問をした。質問の例は次の通りである;質問(1)「○○組で、<けんか>になること、あるかな?」、「どうして<けんか>になるのかな?」「そういうときには、どうしたらいいのかな?」。質問(2)人形を2体用意して、物の取り合いを演じて見せて、対処の仕方について尋ねた。「『貸して』、『ダメ!』になっちゃったね。こういうとき、どうしたらいいかな?」、「そのあとは、どうなるかな?」。また、週1回、自由遊びを参与観察し、いざこざも含め子ども同士のやりとりをフィールドノーツに記録した。その結果、5歳時点では、<けんか>の内容は紋切り型であり、対処の仕方については「わからない」と答えることが多く見られたが、1年後の6歳時点では、<けんか>の内容は具体的で多様なものが語られるようになり、対処の仕方についても、「謝罪」、「交渉」、「第三者による仲裁」などといった多様な方略が語れるようになった。そこから5歳時点から6歳時点への変化として、<けんか>についての言語による表象がより多様になり、<けんか>の対処方略についてもより多様に表象されていくという発達経路がある可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)