2010 Fiscal Year Annual Research Report
自分描画法に関する臨床基礎研究~思春期・青年期への取り組み
Project/Area Number |
19530630
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
小山 充道 藤女子大学, 人間生活学部, 教授 (20170409)
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Keywords | 自分描画法 / 思い / 思春期・青年期 |
Research Abstract |
本年度は研究課題の最終年度にあたり、過去3年間の研究整理を行い、研究成果報告書を執筆し発行することを目的とした。さらに今後自分描画法を幼児に結びつけるために、落書きの心理学的分析に関する研究を新たに行った。研究報告に関しては「高校における自分描画法の活用に関する検討」と「自分描画法(SPM)とTATにおける有用性に関する比較研究」の2つのテーマで学会発表を行った。前者では臨床心理士のSCの役割として高校生の心理的健康状態を把握し相談に即応することが求められるという事情があり、当該学校からの申し出に沿ってSPMが自分自身と向き合うきっかけをつくることができるかどうかを見定めるため全校生徒にSPMを実施。筆者がスクールカウンセラーを勤める北海道内A高校の全校生徒210名が対象となり、新1年生104名、2年生106名に適用した。その結果を教員と検討した結果、SPMをスクリーニングテストとして活用する際の留意点が明確となった。学校現場でSPMを活かす道筋が垣間見えた。後者の研究では臨床心理士資格取得をめざす大学院生を対象に、TATと自分描画法の実習を2日かけて実施した。対象者は「心理アセスメントに関する概論→心理査定の種類→TAT実習→TATカード特徴に関する学習→TATの分析視点→自分描画法体験→自分描画法に関する学習」の順にアセスメント体験を深めた。その結果、TATとSMPの共通点と相違点が明確となった。たとえば思いの現れ方は[TAT]は被検者の悩みや不安,欲求といった被検者の現在の「思い」は隠され、「思い」はダイレクトには現れにくい。[SPM]では「今の」Clの「思い」にふれることができる。共通点はどちらも「絵画刺激」を扱い、「絵画刺激」を通してアセスメントする。被検査者の感情や思考、イメージなどをそれぞれ絵図版や描画といった非言語的な媒介に投映する等であった。
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Research Products
(6 results)