2009 Fiscal Year Annual Research Report
キレやすい児童生徒の母子関係とその支援の在り方に関する実証的研究
Project/Area Number |
19530631
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
藤井 義久 Iwate Prefectural University, 共通教育センター, 准教授 (60305258)
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Keywords | 母親 / キレやすさ / 支援 / 子育て不安 / 育児環境 / 敵意 / 攻撃性 / 虐待的態度 |
Research Abstract |
本年度の目的は、キレやすい児童生徒及びその母親が求めている支援形態及びその効果について検証することであった。まず、児童生徒940名を対象にして、キレやすい児童生徒が求めている支援形態について明らかにするために、「情緒的援助」、「相談的援助」、「自力問題解決」、「情報的援助」という4つの下位尺度、計24項目から成る「児童生徒版支援欲求尺度」を開発した。そして、キレやすい児童生徒に対しては、「情緒的支援」や「相談的援助」といったコミュニュケーションによる援助や励ましがより有効であることが示唆された。また、小学4年生から中学3年生の子が少なくとも1人以上養育している母親310名を対象にして、「相談機関支援要請」、「諦め」、「虐待的態度」、「育児環境改善行動」という4つの下位尺度、計16項目からなる「母親版問題対処行動尺度」を開発し、その信頼性、妥当性について確認した。そして、母親の年齢が上がるにつれて何らかの相談機関に支援を求める傾向が強まることがわかった。また、キレやすい子供の母親は、外に支援を求めることはせず、むしろ家庭内において本人に対して体罰を加えるなど虐待的態度で問題対処を図ろうとする傾向の強いことも明らかになった。 また、キレやすい児童生徒及びその母親に対して、キレやすい児童生徒及びその母親が求めている支援を継続して行うことにより、児童生徒のキレやすさ水準はどのように変化するか検討した。その結果、本人に対しては、小学生の場合、箱庭療法が、中学生以上においては筆記療法がキレやすさ水準の低下に有効であること、母親に対しては、相談的援助を継続して行うことが効果的であることを指摘した。
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Research Products
(3 results)